美味しさのワケ


栽培の特徴として、温泉水のみを使用して土耕栽培で育てています。もやしというと水耕栽培で育てられるのが一般的ですが、「大鰐温泉もやし」は屋内で、しかも土耕栽培で丹精込めて育てています。さらに、土床には温泉の配管を通し温泉熱で土を温め、また散布する水ももちろん温泉水を用いて栽培しています。




地面を幅、深さ40~50センチ、長さ5メートルほどできれいに堀下げられている部分を「サワ」といいます。この下には温泉の配管が通っており、常に一定温度を保つよう工夫しています。そしてこのサワの中にもやしの種となる豆を敷き詰めていきます。その豆は門外不出の地域在来の小粒種「小八豆(こはちまめ)」といい、この豆の生産も自ら手掛けています。

この豆5升を2~3時間かけてサワに敷き詰めます。これが1週間で約40キロの大鰐温泉もやしになります。全ての豆が均一に成長するよう、発芽までの4日間は温泉水をかけ、地熱も使い、30度という温度を保ちます。

サワから大鰐温泉もやしを収穫したら、サワの中の残土はきれいに取り払い、新しい土を入れて次の収穫の準備をします。毎日出荷を続けられるよう、ひとサワごとに場所を変えながら連作していきます。「大鰐温泉もやし」は黒土で育てていますが、一度栽培に使った土は専用の穴に入れて温泉水をかけて養分を蓄えさせながら、一年間休ませます。

豆をまいて1週間経ったサワの藁とむしろを取り払うと、背丈40センチほどに成長した見事なもやしになります。握りしめて丁寧にすくい上げ、大きく左右に揺らして土を払います。そしてサワの脇に用意しておいた藁で一束ごとに括って並べます。

収穫したての大鰐温泉もやしの束を隣の水洗い場に持っていき、温泉水を使ってもやしについている土を丁寧に洗い流していきます。栽培から出荷まで水道水等は一切使用せず、温泉水だけを使っているのが大きな特徴です。

夏はカビや菌が繁殖しやすいため、豆の発芽率も下がり栽培が難しいのですが安定した通年販売ができるよう、日々試行錯誤を続けています。